2025.09.26
【お役立ちコラム】忙しくても1週間で仕上げる面接準備の方法 -基本編-
リージョナルキャリア群馬のコンサルタント、松浦です。
求職者の方からご相談を受けていると、こんなお悩みをよく耳にします。
「書類選考に通過したけれど、どのように面接準備をしたら良いかわからない」
「面接準備についての情報が溢れていて、どれを信じて良いのかわからない」
確かに面接準備って、正解が見えにくいですよね。初めての転職だったり、在職中で忙しかったりすると、余計難しく感じることもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、"忙しくても1週間で仕上げる面接準備の方法"をご紹介します。もちろん、他のやり方を否定するものではありませんので、ぜひ最後までお読みいただき、ご自分に合った最適な方法を見つけてください。効率的な面接準備の一助となれば幸いです。
面接準備の方法-基本編-
面接では企業ごとに異なる質問もありますが、共通して聞かれる基本的な質問項目が3つあります。
1. 自己紹介
2. 退職理由
3. 志望動機
これらの項目は、面接官が応募者の人柄や価値観、企業との相性などを見極める重要な判断材料です。そのため、質問の背景にある"企業側の意図"を理解したうえで準備することが肝心。求人情報や公式サイトなどに書かれている"確かな情報"をしっかりと確認することで、より説得力のある回答を作成することができるでしょう。
なお、私が面接に同席していて感じることですが、質問に答える際、最初と最後を明確にするのがおすすめです。質問をもらったら「はい」でキャッチして、話の終わりは「以上です」と伝えることで、答えにメリハリが出て、面接官が認識しやすくなりますよ。
続いて、3つの質問項目について、それぞれ解説していきます。
1. 自己紹介(目安:2分~3分程度)
■例文
「はい。初めまして、〇〇〇〇と申します。出身は〇〇市で、〇〇高校を卒業後、"モノづくりに携わりたい"という思いから〇〇大学〇〇学部に進学しました。
大学では高分子材料の研究に取り組み、特に環境に配慮した素材開発に興味を持ちました。卒業研究では、再生可能資源を活用したポリマーの特性評価を行い、学会での発表も経験しました。
卒業後は株式会社〇〇に入社し、最初の2年間は製造現場で加工や製造管理業務を担当しました。現場での経験を通じて、製品が完成するまでのプロセスや品質管理の重要性を学びました。
その後、生産技術職に異動となり、現在まで治具設計やプロセス改善、工程改善などの業務に従事しています。特に、現場の声を反映した改善提案を行うことで、業務効率の向上に貢献できることにやりがいを感じています。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。以上です。」
■ポイント
自己紹介は、面接の冒頭で行われることが多く、第一印象を左右する非常に重要な質問です。基本的には、学歴や職歴などの経歴を簡潔に時系列で伝えます。
企業がこの質問で注目しているのは、「話し方」「表情」「声のトーン」などの非言語的な要素を含むコミュニケーション能力や人柄です。もちろん、話す内容そのものも大切ですが、明るく、落ち着いて、ハキハキと話すことが好印象につながります。つまり、そうした要素を確認しながら、入社後の配属先でうまくやっていけるかどうかを判断しているのです。
2. 退職理由
■例文
「はい。現職では、自動車部品の製造に関わる生産技術職として勤務しておりますが、近年は新規立ち上げ案件がほとんどなく、既存業務の維持・管理が中心となっています。
業務内容のルーティン化に伴い、新しい技術や設備に触れる機会が減りました。特に、技術的なチャレンジや改善提案を通じて成長していきたいという思いが強かったため、現状に物足りなさを感じるようになりました。
また、現在は部下の育成や進捗管理などのマネジメント業務が中心ですが、やはり現場での技術業務に関心が強く、手を動かしながら改善を進めるスタイルを大切にしたいと考えています。
そのため、より技術力を磨ける環境を求めて転職活動を行っております。以上です。」
■ポイント
退職理由は、非常に慎重に答える必要があります。なぜなら、答え方によって「この人はうちの会社に合わないかもしれない」「同じ理由でまた辞めてしまうのではないか」といった懸念を抱かれる可能性があるからです。
主観的な感情ではなく、客観的な事実に基づいて説明しましょう。「忙しい」「大変」などといったネガティブな抽象表現は避け、具体的な状況や数字を交えて説明すると説得力が増します。
3. 志望動機
■例文
「はい。志望動機は2つあります。1つは、現職では自動車関連の生産技術職として国内工場で勤務してきましたが、今後は英語力を活かし、グローバルな経験を積める環境で働きたいと考えています。そのため、海外拠点との技術連携や、グローバルな視点での改善活動に携わることによって視野を広げ、より高い技術力を身につけたいという思いがあります。
2つ目は、御社のホームページを拝見し、"独立系メーカーとして技術力を磨き、顧客からのファーストコールを目指す"という理念に非常に共感したことです。実際に御社が取り組まれている〇〇技術や、〇〇分野への展開に強い興味を持ち、これまでの経験を活かしながら、さらに成長できる環境だと感じました。
将来的には、御社の技術開発に貢献し、グローバルなプロジェクトにも積極的に関わっていきたいと考えております。以上です。」
■ポイント
志望動機は、「応募者の意欲」と「企業との相性」を見極めるための質問です。説得力のある志望動機を作るためには、以下の2点を意識すると良いでしょう。
1. 個人のキャリアにとっての意義
その企業で働くことによって、どのようなスキルや経験を得られるのか。自身の成長につながるか。
2. 企業への共感・魅力を感じた点
企業理念・事業内容・社風などに共感した部分を具体的に伝える。
また、退職理由との整合性も非常に重要です。退職理由と志望動機が矛盾していると、面接官に不信感を与える可能性があるのでご注意ください。
面接で注意しておきたいワードとは?
最後に、転職理由や志望動機を作る際、"注意したいワード"をピックアップしました。その言葉自体には問題がないのですが、言葉の意味が広いと、こちらの意図するニュアンスで受け取ってもらえない可能性があるため、使い方には十分な注意が必要です。
■ワークライフバランス
近年よく耳にする言葉ですが、他に言い換えられる表現があるなら、避けた方が良いかもしれません。この言葉を使う背景には、プライベートな諸事情があると思います。しかし、面接では仕事への意欲が前提のため、話の流れによっては企業側の採用意欲をそいでしまうリスクがあるのです。もし使う場合は、言葉のニュアンスに注意し、詳細を補足するなどして、企業の求める意図から離れないようにしましょう。
■キャリアチェンジ
中途採用でメインとなるのは、経験を活かした即戦力です。そのため、新たな業種への転職、特にメーカーを希望される場合、キャリアチェンジという言葉の使い方が重要です。モノづくりは地道な積み重ねの世界ですので、キャリアチェンジするということは、これから新たに経験を積む必要があるということ。この言葉を使うときには、仕事への想いが前面に出せるエピソードなど、簡単に諦めない熱意が伝わるよう、準備を徹底しておくことをおすすめします。
■家が近い
この言葉は、「ワークライフバランス」と近い理由で注意が必要です。例えば、志望動機が「家が近い」ことだったとしましょう。確かに本音としてはあると思いますが、面接官の立場で考えると、もう少し入社したい気持ちを明確に伝えてほしいということはよく言われます。企業側の意図をよく理解し、さらに一歩踏み込んだ内容を伝えられるようにしておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。今回は、"忙しくても1週間で仕上げる面接準備の方法"として、どの企業でも聞かれる質問事項と、使い方に注意しておきたいワードについて解説しました。面接では、自己紹介・退職理由・志望動機がしっかりと準備できているかどうかが結果を左右します。面接準備にあたり、"企業側の意図"を理解することを、ぜひ意識してみてください。
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