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ニッチトップを生み出し続ける。時代の変化を捉えるマックスのものづくり。
マックス株式会社
常務取締役 上席執行役員 開発本部長 加藤 浩二
茨城県生まれ。東北大学卒業。
1988年 株式会社日立製作所 入社。
2004年 マックス株式会社 入社。
2025年 常務取締役 上席執行役員 開発本部長 就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
この記事でわかること
- ホッチキスで知られ、世界80カ国で展開するマックスの「ニッチトップ戦略」
- 釘打機から鉄筋結束機へ、時代に応じた主力製品の変遷
- 日立製作所から転じ、鉄筋結束機を約15年設計した加藤氏の歩み
- 設計者が建設現場へ足を運び、チームで挑む製品開発
- 群馬の「マザー工場」で求める、知財やデータサイエンス人材
ホッチキスをはじめ多彩なニッチトップ製品を生み出すマックス。
マックス株式会社の前身は、1942年に設立された航空機のウィング部品メーカーである山田航空工業株式会社です。今では「ホッチキスの会社」として広く知られていますが、実は農業・建築業向けのツールやオフィス機器などの幅広い製品を手がけています。
例えば、建設現場で使われるエア工具や電動工具、住宅の浴室に設置される暖房換気システム、コピー機に内蔵されるオートステープラなど、事業は多岐にわたります。これらのさまざまな分野でトップブランドとなる製品を持つ「ニッチトップ戦略」を採っていることも、当社の大きな特徴です。
マックスは、これまで時代のニーズに応じて主力製品を変化させてきた歴史を持ちます。高度経済成長期以降に木造住宅が数多く建築された時代には、空気圧で釘を打つ「釘打機」が急速に成長しました。
その後、オフィス複合機の需要が伸びる中では、コピー機内蔵のオートステープラが当社を支える柱の一つに成長しました。そして現在、鉄筋コンクリートの骨組みとなる鉄筋の結束作業用の工具「鉄筋結束機」が大きく成長しています。
当社全体では、直近の10年間で売上高が約700億円から約1,000億円へと伸びており、その半分の500億円を海外売上高が占めています。「世界中の暮らしや仕事をもっと楽に、楽しくする」というコーポレートビジョンのもと、世界80カ国で完成品メーカーとしてブランド戦略を進めています。
チームメンバーが知見を持ち寄り、妥協しないものづくりに挑む。

私は2004年にマックスへキャリア入社しました。前職でエアコンなどの家電製品の設計に携わり、モーターの制御を担当していた経験を活かし、最初に担当したのは充電工具に使われるモーターの制御でした。
入社して2年が経つ頃には、現在の主力製品である鉄筋結束機の設計に関わり、以来15年ほど同製品の設計に携わりました。そして2021年からは開発設計の全体を統括する立場となりました。
マックスには、チームで仕事をする文化があります。製品開発では、メカニック・電気・ソフトウェアなどの異なる専門性を持つ設計者がチームを組みます。さらに商品企画や生産に携わるメンバーも加わり、それぞれの知識や視点を持ち寄りながら一つの製品を作っていきます。
異なる専門性を持つ人たちが議論するからこそ、自分一人では気づけなかった考え方に触れることができます。製品を良くするだけでなく、チームで仕事をすること自体が、一人ひとりの成長やスキルの向上にもつながっています。
お客さまのもとへ足を運び、本当に現場で求められる製品をつくる。
私が製品の設計をする中で大切にしてきたのは、「お客さまに刺さるものをいかに作れるか」ということです。特に鉄筋結束機の開発過程では数多くの苦労がありました。それでもチームメンバーと協力することで、性能や信頼性について妥協することなく、最後までやり切ることができました。
完成までの道のりは大変ですが、製品がお客さまに評価されたときの達成感は非常に大きいです。小さな成功を積み重ねながら、より難易度の高いものづくりへ挑戦していくことが、設計者はもちろん会社の成長にもつながるのだと思います。
そして、マックスの開発現場のもう一つの特徴は、設計者自身がお客さまのもとへ足を運ぶことです。例えば、鉄筋結束機であれば建設現場へ赴き、作業の様子を見たり話を聞いたりします。
また、コピー機内蔵のオートステープラの場合は、コピー機メーカーの設計者の意見がお客さまの声となります。現場で求められる機能について、設計者同士で密にコミュニケーションを取ることもあります。
商品企画や営業の担当者だけがお客さまと接するのではなく、設計者も製品開発の上流から現場へ出向き、ときには試作品を持参して直接反応を確認します。要望に対して「どこまで実現できるのか」「別のアプローチもあるのでは」と考えられるのは、設計者だからこそだと思います。このようなお客さまとの距離の近さは、私がマックスに転職して良かったと感じることの一つです。
自らの強みを活かしつつ、技術者として成長できる環境がある。

近年、当社には多くのキャリア採用者が入社しています。社内には幅広い製品群と技術があるため、これまで培ってきた経験を活かせる場所は必ずあると思います。特に、チームで仕事ができる方、積極的に色々なことを吸収したい方を求めています。
私がマックスへ転職したのも、「ここなら前職で得た技術や知見を活かせる」と考えたことがきっかけでした。それまで培ったものを活かして新たな製品や技術に挑戦したい方にとって、大きな可能性のある環境です。
入社後のキャリアにもさまざまな選択肢があります。例えば、現場担当者として経験を積み、プロジェクトの一部を任されるリーダーを経て管理職を目指す道もある一方で、技術者として専門性を高める道もあります。
また、半期に一度、自分のやりたい仕事を申告できる仕組みもあります。本人の希望や適性、事業の状況が合えば、申告内容がキャリアに反映される場合もあります。携わる製品群を変えることで、新たな知識を身につけ、技術者としての幅を広げている社員もいます。
当社の特長であるお客さまとの距離が近い製品開発の現場では、自分たちが作ったものへのフィードバックを直接受け取ることができ、それが技術者としての大きなモチベーションになります。
製品開発の上流から関わり、お客さまの声を聞きながらものづくりをしたいと考える方にとって、マックスは希望を実現しやすい会社といえるでしょう。
幅広い技術を強みに、次代を担う製品開発に挑み続ける。
これまで多彩な事業を展開し、右肩上がりの成長を続けてきたマックスですが、会社を支えてきたのは「時代のニーズに応じた製品開発力」だと考えています。いま成長を続ける鉄筋結束機が永遠に伸び続けるわけではありません。
かつて主力だった製品から次の製品へバトンが渡されてきたように、新たなニーズの誕生に備えて次の柱を用意しておく必要があります。そのため、現在も次の事業の種を探しながら試行錯誤を続けています。
事業が世界へ広がれば、模倣品への対策を含めた知的財産戦略もさらに重要になります。現在の成長だけを見つめるのではなく、その先に必要となる技術や事業を仕込んでいくことが重要だと考えています。
マックスの本社は東京にありますが、群馬の拠点は当社の核となる技術を生み出し、それを各地へ展開する「マザー工場」としての役割を担っています。ものづくりの現場の近くに設計・開発のメンバーがおり、製品開発の一連の工程に携われることは、当社の強みであり大きなやりがいを感じる部分でもあります。
転職活動をしている皆さんには、まだまだ「ホッチキスのマックス」という印象が強いようです。ホッチキスで知られていること自体はとても嬉しいのですが、それだけではない当社の事業や技術の幅広さを、さらに多くの方に知っていただきたいですね。
群馬から世界へ、マックスの未来を共につくる仲間を求めて。

現在、群馬の拠点で生み出された鉄筋結束機をはじめとする製品は、日本国内だけでなく世界中で使われています。しかし、事業が大きく成長する一方で、それを支える人材がまだまだ必要だという課題があります。
今後さらに製品の可能性を広げていくためには、電気やソフトウェアのエンジニアに加え、知的財産や製品セキュリティ、データサイエンスなど、さまざまな専門性を持つ方の力が必要です。
転職後すぐには100%の力を発揮できないかもしれません。私自身、入社当初は製品や会社の仕組みを一から学びました。大切なのは、自分なりの意思を持って新しい環境に飛び込み、積極的に挑戦していくことです。
群馬を舞台に、自らの経験や専門性を活かして新しい仕事に挑戦したい方、お客さまの声を直接聞きながらものづくりをしたい方と一緒に、これからのマックスを作っていけたら嬉しいですね。