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職人魂×最新技術の融合で新時代のゴルフを切り拓く。

株式会社フォーティーン
代表取締役 桐谷 一郎

更新日:2024年9月11日

千葉県生まれ。1991年、株式会社フォーティーン入社。2022年、代表取締役就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

フォーティーン創業者に憧れ、ゴルフへの情熱をゴルフクラブ設計へ。

株式会社フォーティーンは1981年に設立された、オリジナルゴルフクラブの設計・製造・販売を手掛ける会社です。社名の「フォーティーン」は、ゴルフのルールでキャディバッグに入れられるクラブの最大本数14本に由来しており、「すべてのゴルファーにベストな14本を」という理念のもと、革新的なクラブ作りに挑戦し続けています。

フォーティーンの創業者である竹林隆光は、「欲しいクラブがどこにもない、それなら自分で創るしかない」という思いからこの会社を立ち上げました。彼自身、アマチュアゴルファーとして輝かしい成績を残しており、その経験から「技術面で足りない部分をクラブで補いたい」という強い思いを抱いていたのです。

創業当初、フォーティーンはクラブ設計会社として、大手メーカーからの依頼を受けてクラブ開発を担っていました。世界初の中空アイアンは竹林の設計によるものですし、日本メーカーのクラブとしては初となる海外メジャートーナメント優勝クラブを設計したのも彼自身です。

私がフォーティーンに入社するきっかけとなったのも、そんな竹林への憧れからでした。私は小学生の頃からゴルフをしていたのですが、大学を中退して埼玉県の日高カントリークラブにお世話になり、ゴルフ漬けの毎日を過ごしました。

その後ゴルフショップを開業するため、ゴルフクラブの知識を竹林から直接学びたいとの思いで会社の門を叩きます。最初は断られたものの、諦めずに粘り強く交渉した結果、アルバイトとして入社できました。

私が入社した1991年当時のフォーティーンは、社員数が10人に満たない小さな会社でした。入社後はオーダーメイドクラブの注文受付や組み立て、製品の仕上げなどの業務を担当しました。やがて他社メーカーのクラブ設計営業も担当するようになり、徐々に責任ある立場を任されるようになりました。

創業者から脈々と受け継がれる、常識への挑戦と美しさの追求。

私が竹林から学んだ最も大切なことは、「常識を疑え」という姿勢です。竹林は、それまで感覚的に語られることが多かったクラブの性能を数値化することに成功しました。彼が発案した「重心理論」は、現在のクラブ設計においても欠かせない要素となっています。

さらに竹林はクラブの性能を数値化しただけでなく、それを測定する機器も開発しました。例えば、現在でもプロトーナメントのツアーバンで使用されているライ・ロフトゲージは、竹林が開発したものです。この測定器によって、クラブのスペックを正確に把握し、一貫した品質を保つことが可能になりました。

同時に竹林は、「クラブは美しくなければいけない」という信念も持っていました。性能だけを追求すると、時として奇抜な形状のクラブが生まれてしまいます。しかし、竹林は視覚的な美しさもショットに大きく影響すると考え、性能と美しさを両立させた「美しく、機能的にも優れたクラブ」を追求しました。この姿勢は現在のフォーティーンにも脈々と受け継がれています。

フォーティーンのクラブ創りに込められたこだわりと技術。

フォーティーンのクラブ創りは、技術や体力のないプレーヤーが「今まで打てなかったショットが打てるようになること」を目指しています。その代表作が誰でも強烈なスピンがかけられるウェッジとして開発した「MT-28」や、アマチュアでもロングアイアンを打ちやすい中空構造のアイアン型ユーティリティの「HI-858」です。

フォーティーンの成長の転機となったのは、1998年に発売した長尺クラブ「ゲロンディ」のヒットです。このクラブは当時の常識を覆す長さと形状を持ち、多くのゴルファーに支持されました。私自身も営業として全国を回り、このクラブの魅力を伝える活動に携わりましたが、この経験を通じて革新的な製品が市場にもたらすインパクトを肌で感じられました。

その後、2002年には「HI-858」を使用した海外選手が同年の全英オープンで優勝を果たすなど、日本のみならず、海外ツアー選手からの注目を集めるアイテムとなりました。この出来事はフォーティーンが世界に通用する技術力を持っていることを証明し、会社の成長に大きな弾みをつけました。

さらに2002年、ウェッジの「MT-28」がプロのトーナメントで14週連続使用率ナンバーワンを達成するなど、プロゴルファーからの支持も高まりました。当初はアマチュア向けに設計されたこのクラブが、プロゴルファーたちの心を掴んだのです。これらの長尺ドライバーの飛距離、ウェッジのスピン性能は現在のルールへ変更するきっかけを作ることとなりました。

新たなブランディング戦略の展開。より多くの人に親しまれる存在として。

こうした成功を経て、フォーティーンは自社ブランドの製品開発に軸足を移していきました。その一方、プロゴルファーの使用率が高まったことで当社の製品に対して「上級者にしか使いこなせない難しいクラブ」というイメージが定着してしまいました。これは、本来のフォーティーンの理念とは異なるものでした。

この課題に取り組むため、2018年ごろから新たなブランディング戦略を開始。アマチュアゴルファーに寄り添ったものづくりと活動を心がけ、お客様との直接的な接点を増やす取り組みを始めました。例えば、ユーザーの方々とのラウンドやコンペへの参加、上達したいゴルファーを応援するイベントの開催、フィッティング施設でのコンサルティングなどを積極的に行いました。

さらに、「フォーティーンフィールド」というフィッティング施設を開設し、お客様一人ひとりに最適なクラブを提案するコンサルティングにも力を入れています。

ここでは単にクラブを販売するだけでなく、お客様のゴルフスタイルや目標に合わせた総合的なアドバイスを提供します。例えば、練習時間があまり多く取れない方には扱いやすいクラブを、上達を目指す方にはより挑戦的なクラブを提案するなど、きめ細かな対応を心がけています。

このような取り組みを通じて、フォーティーンは単なるクラブメーカーではなく、ゴルファーの人生に寄り添うパートナーとしての地位を確立しつつあります。お客様との対話を通じて得られたインサイトは、新製品の開発にも活かされています。

ゴルフの喜びをより多くの人に。さらなる会社規模の拡大を目指して。

現在、フォーティーンは約50名の社員を擁する会社に成長しました。私が社長に就任した2022年からは、創業者の精神を引き継ぎながらも、時代に合わせた変革も進めています。特に力を入れているのは、「ゴルフをする歓びを作る」ことです。単にクラブを売るだけでなく、ゴルフを通じた豊かな体験の提供を目指しています。

フォーティーンの強みは、創業以来培ってきた技術力と、常に革新を追求する姿勢です。社員一人ひとりが自由に発想し、新しいアイデアを形にしていく。そんな風土が根付いています。また、お客様との直接的なつながりを大切にしているため、自分たちの仕事がゴルファーの歓びにつながっていることを実感できるでしょう。

今後の展望としては、フォーティーンの認知度をさらに高めていくとともに、海外展開も強化していきたいと考えています。着実に会社の規模を拡大し、より多くのゴルファーに喜んでいただけるブランドになることを目指しています。

ゴルフを愛するあなたの経験と知識で、共に未来を切り拓こう。

フォーティーンは、ゴルフが好きで、ものづくりに情熱を持っている方を求めています。当社では、社会人経験のある方を中心に採用しており、これまでに培った社会人としての経験や知識、そしてゴルフのスキルを活かしながら、新しいキャリアにチャレンジできる環境を用意しています。

設計開発職においては、CADの使用経験がある方や工学系の知識を持つ方を歓迎します。クラブ設計には力学や材料工学の知識が不可欠ですが、それ以上に重要なのはゴルファーの感覚を理解し、それを形にする能力です。

マーケティング職では、デジタルマーケティングのスキルを持つ方や顧客体験に関心のある方を求めています。ゴルフ業界は今、デジタル化の波を受けており、SNSを活用したブランディングやデータ分析に基づく顧客戦略など、新しいマーケティング手法を積極的に取り入れていく必要があるからです。

営業職では、ゴルフへの深い理解と顧客との良好な関係構築能力を重視しています。当社の営業は単にクラブを売るだけではなく、お客様のゴルフライフ全体をサポートするコンサルタントとしての役割を果たすことが期待されています。

当社では、社員の健康増進とゴルフ技術の向上を兼ねてゴルフ場利用補助制度を設け、年2回の社内ゴルフコンペも開催しています。これらの活動から部署を越えた交流が生まれ、社内の一体感醸成にもつながっています。

ゴルフを愛し、ものづくりに情熱を持つ皆さん。ぜひフォーティーンの門を叩いてください。私たちと共に、ゴルフの未来を創造する仲間になりませんか?

編集後記

コンサルタント
戸塚 理仁

創業者・竹林氏の精神が桐谷社長をはじめ社員一人ひとりに継承されており、溢れんばかりのエネルギーを感じるフォーティーン社。ゴルフのプレー、クラブの制作、ゴルフを通じたネットワーク構築など、あらゆる角度からゴルフと関わりを持てるのも同社の魅力です。

創業者の考えを踏襲しながらも常に新しいゴルフのかたちを発信している同社の理念に共感し、これからの『フォーティーン』ブランドを共に創っていく人材の採用を支援していきたいと感じるインタビューでした。

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